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【小売業】損益分岐点売上高と計算方法をわかりやすく解説

損益分岐点売上高をわかりやすく解説小売業の計数初級編
損益分岐点売上高をわかりやすく解説

損益分岐点売上高(そんえきぶんきょうてんうりあげだか)とは、ある事業やプロジェクトの収益と費用が相互に相殺される、つまり利益がゼロとなる売上高のことを指します。損益分岐点売上高は、費用を賄うために必要な最低限の売上高を示す指標として利用されます。

損益分岐点売上高の仕組みを知ることで、自店や自社でかかる経費(固定費)に対してどのくらいの収益を上げれば良いのか、得られる収益に対してどのくらいの経費(固定費)に抑えれば良いのかが分かるようになります。

今回の記事のポイントは以下の4つ。

今回の記事のポイント
  1. 損益分岐点売上高とは
  2. 損益分岐点売上高の求め方
  3. 損益分岐点売上高の実務での使用例
  4. 損益分岐点売上高の改善方法

少し難しいですが、繰り返し学習して損益分岐点を理解しましょう。

執筆者の経歴
  • 大手小売業3社で店長やスーパーバイザーを経験
  • 社員研修や新人店長育成経験あり
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損益分岐点売上高とは

損益分岐点売上高とは以下のように定義されます。

損益分岐点:収益=費用になる分岐点

損益分岐点とは収益と費用がイコールになる分岐点を指し、小売業では一般的に売上総利益と「変動費」「固定費」がイコールになる分岐点を指します。

損益分岐点売上高をわかりやすく解説
損益分岐点売上高をわかりやすく解説

変動費とは

変動費とは売上の増減に伴って増減する費用を指します。

小売業での変動費の代表的なものは以下の3です。

代表的な変動費
  • 仕入原価
  • 原材料費
  • 販売手数料

仕入原価を例にとると、仕入原価が100円の商品を10個仕入れると合計1000円の費用が発生しますが、仕入数量を増やして20個仕入れると仕入にかかる費用は合計2000円となります。

売り上げが増減すると、商品を販売するための仕入れ量もそれに比例して増減します。

このように、売上と一緒に変動する費用を変動費といいます。

小売業では主に原価を指します。

固定費とは

固定費とは売上の増減に関わらず、ほぼ一定でかかる費用を指します。

固定費とは
  • 地代家賃
  • 人件費
  • 広告宣伝費 など

例を挙げると借地を使って店舗運営を行う場合には、地代家賃は店舗が営業していても店休日でも毎月一定額の地代家賃がかかります。

先月は売り上げが少なかったから家賃10万円で、今月は売れたから家賃が30万円ということには基本的になりません。※テナント契約で月の売り上げによってテナント料が増減する場合等例外もあります。

コロナ渦には、減少した売り上げに対して毎月の家賃が大きな負担になった店舗も少なくはないでしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0d5f0b6d7f4251795b1d71116386698859fbac40

このように、固定費は売り上げの増減に関わらずに毎月ほぼ一定の負担が発生するものになり、店舗運営をする上では軽視できない費用となります。

損益分岐点の求め方

損益分岐点は以下の計算式で求められます。

損益分岐点(売上高)=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

または

損益分岐点(売上高)=固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}

小売業における変動費とは、主に売上原価のことを指します。

つまり、損益分岐点(売上高)の計算式の

固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}

の変動費の部分を

固定費÷{1-(売上原価÷売上高)}

固定費÷{(売上高−売上原価)÷売上高}

と置き換えることができます。

売上原価÷売上高=売上原価率なので

1-売上原価率とは売上高から売上原価率を引いた残りの割合になります。

これはつまりは粗利益率のことを指します。

例えば売上高が1000万円で変動費が200万円、固定費が400万円だった場合

損益分岐点(売上高)=固定費400万円÷{1-(変動費200万円÷売上高1000万円)}

もしくは

損益分岐点(売上高)=固定費400万円÷{(売上高1000万円-変動費200万円)÷売上高1000万円)}

損益分岐点(売上高)=500万円

となります。

損益分岐点売上高とは固定費÷粗利益率

損益分岐点売上高とは

損益分岐点売上高=固定費÷粗利益率

で求めることができます。

 損益分岐点売上高をわかりやすく解説:損益分岐点売上高の求め方
損益分岐点売上高をわかりやすく解説:損益分岐点売上高の求め方

先の例に当てはめて考えると

損益分岐点(売上高)=固定費400万円÷0.8=500万円

となり同じ値になります。

したがって、損益分岐点売上高を簡単に説明すると、固定費÷粗利益率であると言えます。

損益分岐点売上高の実務での使用例

損益分岐点売上高の実務での使用方法は主に以下の2つです。

損益分岐点売上高から経営目標を立てる

新店オープン時など参考にする過去の実績がない場合に、売上予算と固定費と利益率のバランスをどうするのかなどの目標を立てることができます。

固定費が50万で売り上げ予測が500万円の場合には、少なくとも利益が50万円は必要になります。

よって利益率10%以上を目標とすることができます。

損益分岐点売上高から経営課題を洗い出す

仮に固定費が50万円で売り上げが450万円、利益率10%だと、利益額が45万円となり損益分岐点売上高を5万円下回った状態つまり赤字経営となります。

この場合、赤字を解消するためには

  • 売上を上げる
  • 利益率を上げる
  • 固定費を下げる

のいずれかに取り組む必要があります。

このように、損益分岐点売上高を活用することで経営課題を洗い出すことができます。

損益分岐点売上高の改善方法は3つだけ

損益分岐点売上高を構成する要素は

  • 売上高
  • 利益率
  • 固定費

の3つです。

つまり、損益分岐点売上高を考える時には、自社や自店がおかれた状況から上記のどれにアプローチするかを考えることが重要です。

自社や自店のおかれた状況を適切に判断するには、商圏分析をするなど客観的な判断が必要です。

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まとめ

いかがでしょうか。

今回は損益分岐点売上高について説明しました。

損益分岐点売上高のポイントは以下の4つ。

今回の記事のポイント
  1. 損益分岐点売上高とは
  2. 損益分岐点売上高の求め方
  3. 損益分岐点売上高の実務での使用例
  4. 損益分岐点売上高の改善方法

損益分岐点売上高を理解することで、自社や自店の収益改善に役立てることができます。

これからもしっかり学んで一歩ずつ成長していきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました。