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相乗積(粗利ミックス)の計算方法と活用方法を元店長がわかりやすく徹底解説

粗利ミックス|相乗積の計算方法と活用の仕方小売業の計数中級編
粗利ミックス|相乗積の計算方法と活用の仕方

相乗積(ソウジョウセキ)がわかると生産性の高い売り場管理ができるようになります。

相乗積とは、部門や商品ごとの利益の貢献度を数値化したものです。

そのため相乗積を求めることで、利益貢献度の高い売り場管理をすることができるようになり、大きな投資などをしなくても生産性を改善することができます。基本的な業務に慣れてきた脱新人~部門長や副店長を目指す方が知っておきたい知識とも言えます。

今回の記事では知っていると役に立つ相乗積について以下の3点を解説しています。

今回の記事のポイント
  • 相乗積の求め方
  • 相乗積の使い方
  • 相乗積の応用の仕方

相乗積はポイントを押さえれば難しくありません。相乗積とは何かを理解して、売上対策に活用できるようになりましょう。

執筆者の経歴
  • 大手小売企業3社で店長やスーパーバイザーを経験
  • パートアルバイトの教育多数
  • メガベンチャーで新入社員や中途入社の社員教育の経験あり
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相乗積とは

相乗積とは、部門や商品ごとの利益の貢献度を数値化したもので、売上構成比と粗利益率のバランスを表したものです。

お店では仕入金額の違う様々な商品を扱っており、さらに物によって販売価格も変わるため、商品によって利益率はバラバラとも言えるくらいに統一されていません。※一部コンビニエンスストアのような利益率が調整された業界もありますが、特殊な例です。

そのためお店全体の利益率も売れる商品の構成によって変わってきます。

相乗積を使うメリット

相乗積を使うことによって、商品やカテゴリーごとにバラバラだった利益貢献度を見える化することができるようになります。

相乗積を使うことのメリットは以下の2点。

相乗積を使うことのメリット
  1. カテゴリーの利益貢献度を見える化できる
  2. 売場管理やレイアウト変更の作案ができる

相乗積の求め方

相乗積は以下の式で求められます。

相乗積(%)=売上高構成比率×粗利益率×100

相乗積の代表的な活用方法については、相乗積同士の比較があります。相乗積で数値化することによって、売り場が生産的かどうかの優劣がつけやすくなります。

相乗積を求めるために必要な知識

相乗積を求めるためには、担当部門やカテゴリーごとに以下の知識が必要です。

  • 売上構成比
  • 粗利益率

自店や自社の数値は上司に聞けば教えてもらえると思います。

※その際に「相乗積を計算してみたい」と言えば、上司から「お、やる気あるな!」と前向きな評価をしてもらえるかもしれません(笑)

ちなみにエクセルでデータが入手できる場合には、相乗積を出したいセルに「=売上構成比の列(A1とかB2とか)*粗利益率の列(A1とかB2とか)*100」と入力すると簡単に相乗積が出せます。下の画像だとDの列になります。

相乗積の活用方法

具体的に相乗積をどのように活用するのか例を用いて考えてみましょう。

売り場変更に活用する

相乗積は売り場変更に活用できます。

理由は、相乗積を求めることによって、売り場の生産性が高いかどうかが可視化されるからです。

生産性の低い売り場面積を縮小して、生産性の高い売り場面積を広げるなどの対策がとれます。

例えば以下の場合。

粗利ミックス|相乗積の計算方法と活用の仕方 ケーススタディ①

バス用品やキッチン用品は利益貢献度が高いのに対して、売上構成比の高いリビング用品の利益貢献度はそれほど高くありません。

ここで以下のような仮説が立てられます。

利益貢献度の高い、バス用品やキッチン用品の売上構成比を増やすことができれば、粗利益が効率良く増加する。相乗積の売り場を縮小して、他のカテゴリーに充てた方が良いのではないか。

上記のような仮説のもと、売り場を以下のように変えるとします。

相乗積の高い、バス用品やキッチン用品の売り場面積を広げる、または場所を変えて視認性を高める。相乗積の低い売り場は縮小しても良い。

これらを踏まえて売り場を次のように変更します。

  • トイレ用品とリビング用品の売り場面積を縮小する
  • バス用品とキッチン用品の売り場面積を広げる

この、売り場変更によってトイレ用品とリビング用品の売上構成比がそれぞれ5%下がり、バス用品とキッチン用品の売上構成比がそれぞれ5%上がった場合の相乗積を見てみましょう。

粗利ミックス|相乗積の計算方法と活用の仕方 ケーススタディ②

カテゴリー合計の利益率は23%に改善しています。

売り場変更だけで利益率を改善できていますので、店舗が追加で管理コストを負担することはありません。

うまくいけば非常に効果的な利益改善策となります。

前出しに活用する

パートやアルバイトの方に前出しをお願いするときに売上・販売点数・粗利のどれを重要視するかで、前出しの優先順位も変わってきます。

粗利益額を落としたくないときは相乗積の高いカテゴリーから前出しをしてもらうもの方法のひとつです。

小売業において、前出しは基本的に売れ筋の商品からすることが多いですが、出店して数年経つ既存店では売り上げも頭打ちになり、売り上げの拡大よりも利益の確保に注力する必要が求められることもあります。

そのようなときに、「売れ筋からの前出しや補充」と「利益貢献度の高い商品からの前出しや補充」をバランスよく組み合わせることによって、より店舗の現状に合わせたオペレーションを行うことができます。

相乗積の応用の仕方

相乗積は「売上構成比と粗利」のバランスを確認する指標というのは先に説明しました。

この、2つの指標を使って比較するという方法は、小売業では「ABC分析」で使われています。

「ABC分析」とは、「売上×客数」や「売上×粗利」、「売上×販売点数」など、2つの数値を使って、データを抽出する方法です。

つまり、相乗積の考え方を応用することで、自分が重要視する2つの数値を比較検討し、優劣をつけることができます。

その結果をもとに、売り場のレイアウト作成などの販売戦略に生かせます。

まとめ

今回は相乗積について以下の3点を解説しました。

今回の記事のポイント
  • 相乗積の求め方
  • 相乗積の使い方
  • 相乗積の応用の仕方

売り場のレイアウト変更は売上減少のリスクも併せ持っているから、やるときは慎重な判断が必要です。売り場を変更する前には必ず上長に相談するようにしてください。

ただし、考えるのはノーリスク!

よりよい結果を出せるように常に考えながら行動していきましょう。

小売業で年収600万を目指す方のために、押さえておきたい計数をまとめました。計数に詳しくなりたい方は下の記事も参考にしてください。

初めはとっつきにくいですが、根気よく頑張れば必ず覚えられます。

コツコツ頑張りましょう。