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有休とか無駄にしてませんか?小売業従事者が押さえておくべき労働基準法

アルバイトから正社員まで|小売業従事者が押さえておくべき労働基準法|賃金・休憩・解雇・退職・年次有給休暇・生理休暇・損害賠償・無期転換ルールについて労務管理
アルバイトから正社員まで|小売業従事者が押さえておくべき労働基準法|賃金・休憩・解雇・退職・年次有給休暇・生理休暇・損害賠償・無期転換ルールについて

労働基準法の知識を身につけることで、不当な扱いを受けているのか判断ができるようになり、労働者としての立場を守りやすくなります。

労働基準法の基礎知識を身につけることで、肉体的・精神的・社会的・致命傷から身を守ることができます。

この記事を最後まで読んでいただければ、職場で直接関係のある、労働基準法の正しい知識を身につけることができることをお約束します。

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労働基準法とは

労働基準法とは最低の基準を定めた法律であるので、これを下回ってはいけないのです。

つまり労働基準法を下回る条件で仕事をさせられることは、会社が「違法行為」をしていることとなります。

このような会社で働いていると人生の幸福度が著しく低下します。

労働基準法を大まかに知っておくことで、勤めている会社がまともなのか、ヤバい会社なのかの判断材料になります。

第十三条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

とあるように、就業規則や雇用契約などで定められた労働条件の違法な部分は、その部分については無効になってその部分については労働基準法が適用されます。

仕事をする上で違法行為を迫る企業からは離れるべきです。契約更新時や採用時に労働契約書の内容が適切か慎重に判断しましょう。

そしてあの手この手の言い訳やロジックを使って違法労働をさせられないように知識を蓄えておきましょう。

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賃金の原則と請求権

賃金の原則と請求権を以下で解説します。

賃金全額払いの原則

第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

給料(賃金)は、通貨での全額払いが原則です。そして直接労働者に支払わなければなりません。

一部を物品で支払ったり、貸付金やペナルティの分を相殺したり、家族等の第三者に支払うのは違法となります。

また、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないとありますので、毎月の給料支給日に給料が支払われない(支払いが滞る)のは違法となります。

ただし、通貨での全額払いに関しては、「労働者の合意」と「労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者と書面による協定を結ぶ」ことにより、給料の銀行振込も可能とされています。

全額払いの原則

アルバイトから正社員まで|小売業従事者に関する労働基準法をわかりやすく解説:全額払いの原則

参照:厚生労働省 賃金関係

臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りではありません。

賃金の請求権には時効がある

第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

 第百十五条の規定の適用については、当分の間、同条中「賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間」とあるのは、「退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを行使することができる時から三年間」とする。

2022年7月現在、賃金の請求権(退職手当を除く)は3年、退職手当の請求権は5年となっています。

未払い残業代の請求可能期間は3年

退職手当を除く賃金の請求権は3年で時効となります。

以上から、未払いの残業代の請求権も3年で時効となります。

未払い賃金を請求するにあたって

未払い賃金を請求するにあたっては証拠等が必要になります。

退職後だと手に入れにくいものもありますから、在職中になんか変だな…と思ったら、証拠や記録を残しておきましょう。

未払い賃金を請求するときに準備したいものは下記のものです。

  • タイムカードや出退勤の記録等、勤務履歴が記録されているもの
  • 就業規則
  • 労働契約書
  • 業務連絡や残業の指示書

私は以前直接会社と交渉して約2年分100万円近い残業代を取り戻すことができました。

私のように直接会社に未払い賃金の請求をすることも可能ですが、直接言いづらかったり、請求しても支払ってもらえない場合は労働基準監督署や弁護士などの専門家に相談してみてください。

休憩時間は自由に利用できる

労働基準法では休憩時間に関しても定めがあります。

休憩時間について

第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

まず労働時間によって与えられる休憩時間が変わります。

労働基準法では、6時間を超えて働く場合には45分以上の休憩が、8時間以上働く場合には1時間以上の休憩が必要です。これを下回る処遇は違法です。

アルバイトから正社員まで|小売業従事者に関する労働基準法をわかりやすく解説:労働時間と休憩時間
休憩は労働の途中に与えなければならない

「今日は忙しくて休憩を取れなかったから、その分1時間早く帰っていいよ」とか

「1時間遅れてきていいから、今日は休憩なしで働いて」

というのは労働基準法違反になります。

休憩は労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は1時間与えなければなりませんが、必ず労働の途中に与えなければなりません。


アルバイトから正社員まで|小売業従事者に関する労働基準法をわかりやすく解説:休憩時間は労働の途中に与えなければならない
休憩時間は自由に利用できる

突然ですが、休憩時間中に呼び出されていませんか?

 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労働基準法では、休憩時間は労働者が権利として仕事から離れることが保証されなければならないとされています。 

「休憩時間=作業をしていない時間」ではないということです。

そのため、呼び出される前提で休憩を取ることを余儀なくされているときは、上司への相談も検討してみてください。呼び出されて休憩が中断した分は、その日のスケジュールを調整してどこかで休むようにしましょう。

また休憩を分割する場合は、分割された休憩時間がごく短い場合、休憩時間の自由利用が事実上制限されることになります。そのため、労働者が労働から完全に解放されているとは評価されない場合がありますのでご注意ください。

私たち労働者は、休憩時間を自由に利用する権利があります。買物に行ったり、外食したり、役所に行ったり、家に帰ったりすることができます。

自分の休憩時間中にお店の営業に支障が出るのは、私たちの責任ではなく会社の体制の問題です。

しっかり休んでリフレッシュして気持ちよく仕事に戻りたいですね!

「明日から来なくていい」は基本的に違法

労働基準法には労働者が不利にならないように、解雇についても定めがあります。

解雇予告と平均賃金の支払いの義務

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

労働基準法第20条では労働者を解雇する場合、30日前の予告を義務付けています。これを解雇予告と言います。また、この条文では解雇予告をしない場合には30日分以上の平均賃金の支払を義務付けています。


アルバイトから正社員まで|小売業従事者に関する労働基準法をわかりやすく解説:解雇予告と平均賃金の支払いの義務

ただし、以下の条件に当てはまる場合は該当しないことがあります。

  • 日日雇い入れられる者
  • 二箇月以内の期間を定めて使用される者
  • 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
  • 試の使用期間中の者
退職の申入れは2週間前に言えばOK

退職の申入れは何日前にすればよいのかは労働基準法に定めがありません。したがって、民法の規定が適用されます。

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

参照:民法 G-GOV法令検索

就業規則で退職の申入れは1カ月前までと規定している企業もありますが、民法上は2週間前までに申入れをすれば大丈夫です。

退職の意思表示の仕方

退職の意思表示は、企業側の承諾を得ることができれば口頭でも構いませんが、多くの企業では書面での提出が求められると思います。

企業や上司が退職届の受け取りを拒否したときは、配達記録や内容証明で送ってください。

記録を残すことで、退職の意思表示をした証拠が残ります。

それでもなお、もめてしまったり面倒だと感じるようであれば、退職代行を使いましょう。

精神的なダメージは引きずってしまうものです

身を削り、今後に響くようなダメージを負いそうなら、お金で解決するのも一つの手段です。

退職時の有休の消化

 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

退職日を過ぎるとその会社で得た有休休暇が消滅してしまいますので、退職日までに有休が消化できるように上司に相談してください。

有給休暇が多く残っている場合は、最終出勤日を会社の都合に合わせると希望の退職日までに有休の消化ができない場合があります。その際は、最終出勤日を早めて十分に有休を消化できる期間を設ける必要があります。

有休の利用は会社は基本的に拒否できませんし、時季変更権の行使に退職日を過ぎた日程は指定ができません。

人手不足や引継ぎ等を理由に、最終出勤日を遅らせて一部の有休を使わせないなどとすることは違法です。

上司との折り合いが付かないときは、人事部や労働基準監督署に相談してみてください。

年次有給休暇は自然に貯まる

年次有給休暇は企業から付与されるものと誤解をしている方もいますが、年次有給休暇は労働基準法に定められた労働者の権利です。

年次有給休暇について

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。

有給休暇は会社に申請して受け取るものではなく、法律上の要件を満たせば自然に付与されるものです。

雇い入れの日から起算した勤続期間/付与される休暇の日数

6か月/10労働日

1年6か月/11労働日

2年6か月/12労働日

3年6か月/14労働日

4年6か月/16労働日

5年6か月/18労働日

6年6か月以上/20労働日

参照:厚生労働所 よくある質問 – 年次有給休暇とはどのような制度ですか.


アルバイトから正社員まで|小売業従事者に関する労働基準法をわかりやすく解説:年次有給休暇の付与日数
有給休暇の取得を理由に、不利益な扱いをしてはいけない

労働基準法に定められた年次有給休暇の取得に対する不利益取扱いの禁止について、労働基準法附則第136条は、使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないということを規定しています。年次有給休暇の取得を賞与査定のマイナス要素として扱うことはこの規定に抵触することになりますので許されません。

生理が辛い時は仕事を休める

生理がつらくて仕事に支障が出る方もいるでしょう。生理がつらくて仕事を休むのは甘えなのでしょうか?労働基準法には生理休暇についても定めがあります。

生理休暇について

第六十八条 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

女性特有の生理ですが、その程度には個人差があります。生理が辛く仕事が著しく困難であれば、休暇を取ることができます。休暇の日数については、生理期間、その間の苦痛の程度あるいは就労の難易は各人により異なるものであり、就業規則その他によりその日数を限定することはできません。

また休暇を取る際に、診断書等は必要なく口頭で伝えれば問題ありません。

会社の就業規則で定められていなくても、労働基準法で定められていますので、生理休暇を与えないのは違法です。

なお、生理休暇の期間を有給にするか無給にするか、欠勤扱いにするかしないかは会社が決めることができます。

有給休暇の事後申請が可能な会社もありますから、就業規則を確認するか相談してみましょう。

半年以内に辞めたら罰金〇〇万円は違法

少なからず、業務上のペナルティが就業規則等で規定されている企業もあるでしょう。罰金の規定は適法なのでしょうか。

賠償予定の禁止

第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

あらかじめ損害賠償額を定める労働契約は違法となります。

  • 社用車をぶつけたら罰金〇〇万円
  • 販売ノルマ未達成の場合は罰金〇〇万円
  • 〇〇年以内に辞めたら罰金〇〇万円

上記契約はいずれも違法です。

ただし賠償予定は禁止されていても、実際に会社に与えた損害の賠償責任は問われる可能性がありますので、業務中に会社に不必要な損害を発生させないように気を付けましょう。

毎日新聞 受水槽泳ぎ「めっちゃ気持ちいい」 動画投稿の下請け男性を工事会社が提訴 福岡

 一定の基準を満たせば有期労働契約から無期労働契約へ変更できる

パートや契約社員で入社したものの、働くうちに正社員を目指したいという意思が強くなる方もいるでしょう。労働基準法には、有期労働契約に関しても定めがあります。

有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換

第十八条 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。

無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、 有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換されるルールのことです。

無期労働契約へ転換することにより、契約期間満了に伴う雇止めの不安を解消することができます。

無期転換後の雇用区分については、会社によって制度が異なるため、 詳細は会社に確認する必要があります。

給与や待遇等の労働条件については、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段の定めがある部分を除き、 直前の有期労働契約の際の労働条件がそのまま引き継がれることになります。

現在、有期労働契約で働いていて、この先も同じ会社で働くことを考えているのであれば、無期労働契約への転換も検討してみてはいかがでしょうか。

参照:厚生労働省 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

まとめ

いかがでしょうか。

今回は小売店舗で働いていてもなかなか触れることがない。労働基準法について紹介しました。

法律を知っていることで、自分の勤めている会社のコンプライアンス遵守意識が高いかどうかが判断できますし、いざというときに自分自身の身を守れるようになると思います。

ただし、法関係の対立は非常にデリケートで難しい問題になりますので、不安な時は人事部や弁護士、労働基準監督署などの専門機関へ相談するようにしましょう。

今回の記事が参考になれば幸いです。